「函館市中央図書館」の建設にかかわる質問・要望および意見書(本文

 

 はじめに

 

 @ 「市民の多くが利用したいと望む図書館」をどのようにつくるか

 図書館は図書館法に定められた文化施設です。とくに公共図書館は「図書記録その他必要な
資料を収集整理し、保存して一般公衆の利用に供し、その教養、調査、研究、レクリエーション等に
資する」のが、設置の目的です。この目的を達成するにはまず何よりも市民の多くが利用したいと
望む図書館とはどういうもので、そのために市民にどのように働きかけて利用してもらえるように
するのか、市民の多くが利用するような資料の収集方針をどうするか、などのソフト面が最優先して
定められ明らかにされる必要があると考えます。

 次いで市民の要望に十分に応えるために、

イ)館長ほか職員はどういう仕事をするのか

ロ)スタッフとしてどれだけの人数が必要か

ハ)十分な資料購入費がどの程度でそれをどのように保証していくか

ニ)使いやすい検索方法をどのように提供するか

  ホ)館内での閲覧時のプライバシーの保全はもとより貸し出しなどに伴う
    個人情報を安全に保護し、その漏洩や流用などの違法行為には罰則を設ける

      などの運営システムの方針・基準を定め明らかにしなければなりません。

 まず、運営方針、システムなどのソフト面が十分に議論され、方向が定まった上で、
そうしたソフトを支える建物・付帯設備や設備機器、備品・什器、それらの維持管理などの
ハード面が決まっていくというのがことの順序として適切であろうと考えます。建物等の
ハード面の検討とソフト面での検討の同期がうまくとれていないと、他の自治体でもしばしば
見受けられる、「建物は立派だが使い勝手が悪い、使いにくい」、「市民の利用が十分には
進まない」などのいわゆる「ハコ物行政」との批判を受けることになりかねません。

 

 A 現在ある図書館をどう評価するか?−7割の市民が使っていないという現実

 

 表1 逓減する貸し出し登録者数と年間貸し出し冊数

年度

貸し出し登録者数

比率%

年間貸し出し冊数

比率%

2000

18,295人

88.6

880,358冊

99.2

1997

19,572人

94.8

893,971冊

100.8

1996

20,643人

 100

887,044冊

100

【注】@貸し出し登録者数、年間貸し出し冊数とも本館と分館、図書室、配本所、移動図書館(BM)を合わせた
   数字A比率は1996年度を100として算出した。

 

 表1は最近の貸し出し登録者数と年間貸し出し冊数の推移を見たものですが、いずれも逓減して
 います。とくに登録者数の減少幅は大きく、
(4年間で11ポイント)市民の多くが現在の図書館に出向か
 なくなりつつあるという事実を示しています。

 2000年度の登録者数は市の人口(2001年3月末現在286,175人)に対して
 わずかに6.4%にすぎません。また、2000年度の市民1人あたりの貸し出し冊数は
 3.1冊ですが、登録者1人あたりでは48.1冊で、人口の6.4%というごく一部の
 市民が年間48.1冊の本を借りているということになります。逆にいえば93%強の
 市民が図書館から本を借りていないことになります。これは公共図書館としてはまことに
 憂慮すべき危機的な状態であると私たちは認識しています。

 こうした実態は市教育委員会が2001年7月に市全域の16歳以上の市民1,000人を
 対象に行った
表2のアンケート結果(無作為抽出、有効回答50.8%)にも表れています。
 7割を超える市民が現在の図書館を「ほとんどまたはまったく利用していない」と
 いうのが実態です。

 

 表2 アンケートによる利用、非利用者の動向1

利用、非利用動向

回答人数

構成比(%)

利用する(毎週、月1回、年2〜3回)

141人

27.8

利用しない(ほとんど、まったく)

359人

70.7

【注】@数字は「函館市中央図書館建設基本計画」(p.15、表T−12)によるA「無回答」の8人を含めた母数は508人


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