鮭(さけ)

  北海道の鮭は安くておいしい。何しろ車で1時間ほど行けば、10月下旬から11月にかけて、あちこちで、鮭が海から川に遡ってくるところが見られるらしい。八雲の遊楽部(ユーラップ)川に行けば、押し合いへし合いして鮭が遡ってくるのが見られると教えられて、11月始めに、近所の人と一緒に出かけたが、今年は地震の影響か海水の温度が下がらず、遡上が遅れているとかで、たった1匹先行隊らしいのが泳ぐのが見られただけだった。
  そう言うわけで、11月にもなるとどのスーパーでも塩鮭が1匹丸ままで売られるようになる。鮭にもいろいろあって、紅鮭がやはり一番高いのだけれど、私には姿だけではどれがおいしいのかは見分けがつかない。それに余り安いのを買うと、すっかり味の抜けた去年のものだったりするので気をつけないといけない。結局信用できる店で買うのが一番だというわけだけれど。その鮭を使って、飯寿司や麹漬けが作られる。以前はどの家庭でも作って、それぞれの家の味というのがあったそうだが、近頃は家で作る人はずいぶん減っているらしい。それでも11月頃になるとホームセンターでは漬物用のプラスチックの樽や飯寿司の木樽が並べられ、食品スーパーではやはり漬物用のみそや塩、麹などが店頭に並び始める。

     鮭の飯寿司 (三觜さんのレシピ)

   材料(直径39センチ、高さ25センチの木樽一樽分として)

・鮭    6〜7キロ(道東オスで2匹、紅鮭なら3匹)
・大根    3本
・ニンジン 3本
・ショウガ 500グラム
・ゆず   3個
・酒    500cc 塩  適量
・酢 500cc
・麹    350〜400グラム
・米    5合
・笹の葉  40枚くらい

   *樽の準備(3,4日前にやっておく)
・樽を洗剤で洗う。
・熱湯を入れ蓋を浸けたまま1時間くらい置く。
  ・風通しのいいところに置いて乾かす。
 *つけ込む前に樽を酢か焼酎で拭く。焼酎を注ぎ入れて清潔な布巾を浸しながら拭いてもよい。残った焼酎は鮭を洗う(5)のに使える。

   (漬け込み材料の準備)
1.ご飯を5合炊いて、人肌程度までさましておく。
2.大根、ニンジンは皮を剥いてから5センチくらいの長さで千切りする(スライサーがあると便利)。大きな器に入れて塩をひとつかみほどふってしんなりさせる。
3.ショウガ、ゆずは皮を剥いてできるだけ細く千切りにする。
4.鮭は3枚におろし、身の部分はさらにハラスの部分とに分ける。ハラスは骨のところを薄く削ぎ取る。
5.鮭の身をたてに半分に切る。切った身は焼酎(ホワイトリカー)にくぐらせてか ら、1センチくらいの厚さで斜めに削ぎ切り。ハラスも同様にして切る。鮭の塩加減が薄すぎる時は少し塩をふるとよい。
6.頭の軟骨部分(氷頭)を切り取って、できるだけ薄切りにし、酢で2回洗う。
7.麹を手でバラバラにほぐしてから、ご飯に混ぜ込む。
8.同量の酢と酒を計量カップに入れて混ぜ合わせておく。つけ込み材料の準備ができたら(6)がだぶだぶになるくらいに注いで混ぜ合わせておく。

   (漬け込み)
9.樽の底に笹を敷き詰める。側面にも葉を立てて並べる。
10.最初に野菜(2)の水気を軽く絞って入れ、底に敷き詰める。
11.次に鮭を皮が上になるようにきれいにすき間なく並べる。
12.鮭の上にショウガとゆずをぱらぱらっとまくように入れる。
13.(7)の麹入りご飯を注ぎにまんべんなくのせる。
(9)から(12)を何回も繰り返す。
14.ハラスと氷頭(ひず)は、おいしいので最後にのせるとよい。
15.一番上は野菜が来るようにする。
16.ご飯の合わせ酢が残っていれば最後にまんべんなく振り入れる。ゆずの実も半分に切って果汁を絞り入れる。
17.笹の葉を樽の内側の側面に差し込み、内側に向かって折り込んでから木蓋をのせる。

   (熟成)
18.大きめのビニールタライ(漬けているうちに水分が出てくるのでそれを受ける)の上に樽を置き、一晩そのままにして味をなじませる。
19.翌日12キロの重し2つを蓋の上に載せ、上からビニール袋をかぶせるか、大きなポリバケツをかぶせる(ホコリがつくのを防ぐため)。
                  *重しはもう少し重くしてもよい。
20.1週間くらいは毎日重しが水平に乗っているか気をつけてみること。
21.40〜45日そのままの状態で地下室などで発酵させる。
22.熟成後、樽の上やタライにたまった水を捨てる。樽についた青カビは清潔な布か紙でふき取ったあと、樽を熱い湯で絞ったふきんで拭く。蓋は湯できれいに洗う。
23.樽をひっくり返して樽の底(上になった部分)に重しをひとつ置いて2日間おく。                                  (逆さおせ)
*蓋の下にも重しを置く。高さが足らなければその下に板などを置くとよい。
 24.出た水分は捨てる。
 25.元に戻して寒いところで保存。水が出てきたらその都度ティシューなどで吸い取る。一段ずつ取って食べるとよい。

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