函館市中央図書館の建設には

こんな問題点があります!!

 

 新図書館の問題点について函館市民のみなさんに訴えます。

旧渡島支庁跡地に建設予定の新函館市中央図書館の基本計画が発表されました。
その計画には次のような数々の問題点があります。建設にかかる40億円ちかい
税金を無駄にしないためにも函館市は以下の問題点を真摯に受け止め、解決の努力を
することが不可欠と私たちは考えます。文化都市函館の名にふさわしい図書館の開設に
向け最善をつくすことを、私たちは強く市当局に求めます。

 

1、           過大な駐車場

 

「敷地面積の3分の1近くを占める160台分の駐車場面積は無駄な計画です」

 これだけの駐車場が必要だとする根拠は、現状の図書館の利用者数が新館になると
14倍に増えるという想定のもとで計算された数値です。他市の例では3倍程度の増加
ですから、読書離れの進む昨今とうてい実現できる数値とは思われません。

またそれを実現するための具体的な方策が示されていません。仮に来館者数が5倍に増えた
としても、私たちの試算では80台程度あれば十分なのです。

 

2、           あまりにも少ない緑地

 

「五稜郭公園とマッチした森の中の図書館であるべきです」

 私たちの計算では敷地に占める緑地部分の割合はわずか15%です。函館市内の緑地面積は
1986年から1999年までの13年間で
468.3haもの大幅な減少をきたしており、緑地率は
28%から18%にまで低下しています。そのためにも駐車場を縮小して、新図書館の緑地の割合
を少なくとも30%以上にするべきです。必要な駐車台数の確保は駐車場の2階建て、あるいは
地下に設ける方法によっても可能です。さらに巡回バスを走らせるとか、今春オープンする保健
センタ−(約70台)や旧土木現業所跡(約90台)の駐車場の利用などもあわせて検討
するべきです。

 

3、           使いづらい内部

 

読書コーナーが道路に近接しすぎること、動線部分が長すぎることなど」

 駐車場さえ広ければ利用者が増えるという発想から、駐車場をもっとも便利な場所にとった設計です。
そのため、一番必要な書架・閲覧室が入口から一番奥になり、かなりの距離を歩くことになります。
また読書室が交通量の多い東山墓園線に面しているため常に車のライトや騒音の影響を受けます。
AV等の防音設備も不完全で、落ち着いて読書できる環境にありません。
利用者の立場から見ても非常に不便な建物です。  

4、           敷地に対して非常に窮屈な建物

 

「基本計画では『住宅地にも接していることなどから・・・・・・住宅地など周辺環境への配慮』 
となっているのに、それがまったく無視された設計です」

 南側のブロックでは、4100uの敷地(全体の35%を占める)に対する建物面積の割合
(建蔽率)は70%(この地区の法定建蔽率は60%)にもなり、隣接する住区の住民に格段の
圧迫感を与えます。このあたりは五稜郭公園と隣接した風致地区であり、本来建蔽率は40%以下が
望ましい場所なのです。駐車場を縮小して建物を北側に移動すれば、現在の設計案を変更しなくても
そのブロックの建蔽率を下げることが可能です。そうすれば読書コ−ナ−と道路との空間が広がって
車の騒音も軽減することができます。

 

5、             不明な維持経費

 

「図書館の管理・運営費用など毎年必要になる経費がどう確保されるのか不明です」

図書の専門職員の確保と人件費、毎年の図書購入費、図書類の管理運営費、建物の維持管理費、
光熱費・空調費など(新館は延べ床面積が現図書館の
4.5倍)の大幅な増大が予想されます。
私たちの試算では5億から6億円必要とされます。函館市の財政難の時期にこれらの経費が
確保できるでしょうか。経費が少なくてすむ設計をまず考えるべきです。

 

6、             不十分な議論

 

「市民の声を吸い上げ、市民参加型の図書館にするための仕組み(たとえばワ−クショップ)を
早急に設立するべきです」

 設計案は、市が設けた「建設懇話会」で検討され、「図書館協議会」で審議されたとのことですが、
以上述べてきたような数多くの問題点が論議されていません。又この問題を担当する市議会の総務
委員会でも十分な審議がなされているとはいえません。

更に私たちが1月28日、函館市に提出した「要望書」に対しても回答期限が過ぎた現在、何の連絡も
ありません。

 より直接的に多様な市民の意見が反映できる仕組み(たとえば市民を中心に行政や専門コンサルタント
なども加わった「ワ−クショップ」方式など)を早急に設立することが必要と考えます。新図書館の
説明会を定期的に開いて市民の図書館への関心を高め、市民が利用したいと思える図書館づくりを大事
にしてほしいと思います。

                      2003年2月20日

                         

函館の新図書館にのぞむ会
                                      世話人代表 鎌鹿 隆美

連絡先 函館市駒場町9−10自然倶楽部気付
                                    電話・FAX   0138−31−5339

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